排尿トラブルにはノコギリヤシ？それとも漢方？
年を重ねるにつれトイレの回数が増えていき、仕事中も落ち着かなかったり、外出が億劫になって精神的にふさぎこんでしまう・・・というケースもあるといいます。
我慢しないで、つらい排尿トラブルを抱えている方は「ノコギリヤシ」を試してみてください。
ノコギリヤシは、その成分が男性ホルモンに影響し、おしっこについてのトラブルをサポートしますが、東洋医学の「漢方」でも、排尿悩みの原因に合わせた処方が行われています。
排尿トラブルの原因が「加齢」と思われる場合、視床下部や下垂体系の機能をアップさせるため、八味地黄丸（はちみじおうがん）、牛車腎気丸（ごしゃじんきがん）、六味丸（ろくみがん）、清心蓮子飲（せいしんれんしいん）といった漢方が処方されます。
骨盤周りの筋肉や靭帯の緩みによって尿漏れが起こっている場合には、気を補うために、人参湯（にんじんとう）、葛根湯（かっこんとう）、当帰芍薬散（とうきしゃくやくさん）、補中益気湯（ほちゅうえっきとう）、六君子湯（りっくんしとう）、大黄牡丹皮湯（だいおうぼたんびとう）などが用いられます。
水分のバランスや冷えから、夜間の頻尿やむくみが起こっている場合には、体内の水の流れを良くするため、五淋散（ごりんさん）、安中散（あんちゅうさん）、猪苓湯（ちょれいとう）、苓姜朮甘湯 （りょうきょうじゅつかんとう）といった漢方を用います。
人間が本来持つ自然の力を利用し、これらの生薬のパワーの助けを借りるというのが東洋医学の発想ですが、苦い漢方の服用が苦手という方もいるでしょう。
そんなときには、同じパワーが期待できるノコギリヤシのサプリメントを試してみてください。
ノコギリヤシも安いものではありませんが、漢方もまた高価なもの。
購入しやすさ、続けやすさというのも重要な選択ポイントです。
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ハーブと漢方の違い
ヨーロッパでは医薬品として病院で処方されているノコギリヤシですが、日本ではハーブやサプリメントとして扱われています。
トイレのことで悩んでいる方では、サプリメントのノコギリヤシを飲んでみるほか、漢方薬局に相談する方もいるでしょう。
ではハーブと漢方薬とでは、何が違うのでしょうか？
ハーブとは草本性、つまり木ではない草全般のことであり、一般的にハーブといえば、薬草、スパイス、香辛料といった有用な草のことを指します。
パセリやローズマリー、ミントなどのキッチンハーブは、家庭栽培でも人気ですよね。
大量に栽培される野菜や穀物、観賞用の花とは区別されていて、特にヨーロッパで盛んに研究が行われてきた歴史があります。
トイレが近い、おしっこのキレが悪いなどの悩みをサポートするのはノコギリヤシの果実で、この果実を煮出してハーブティーとして飲むことができます。
ただしその実は固く、煮出すのも手間がかかるため、有用成分を抽出したサプリとして飲むのが一般的です。
漢方薬は、中国医学から生まれ日本で発展した「漢方医学」で用いられる医薬品です。
同じ「薬効」が期待されるものであっても、誰もが購入、栽培できるハーブとは違い、漢方薬を処方・販売するためには資格が必要です。
悩みや症状、体質などに合わせて個々に調合され、もちろんトイレの悩みについても、ヒアリングでその原因を特定し、解決に導くような調合がなされます。
薬やハーブの扱いは国により異なり、中国ではノコギリヤシは「棕櫚子（シュロシ）」と呼ばれて、泌尿器疾患の漢方薬として用いられています。
漢方とサプリの併用は問題ない？
おしっこのことで辛い悩みがあるとき、トラブルに合わせて処方を受けた漢方薬と、ノコギリヤシのサプリメントを併用しても良いのか？という質問が聞かれます。
植物由来の抽出成分であり重篤な副作用の報告がないノコギリヤシですから、アメリカでは、泌尿器系疾患で医薬品の効果が見られない時にノコギリヤシの併用が薦められることがあります。
漢方薬との併用についても担当の薬剤師に相談のうえ、ノコギリヤシを併用できる可能性は十分にあります。
それぞれの成分がもたらす力をしっかり引き出せるかどうか、漢方の専門家に相談してみると良いでしょう。
漢方もサプリメントも、医薬品のように「今日飲んで明日の回復を期待する」という性質のものではなく、期間をかけて体の中に少しずつ変化をもたらしていくものです。
数か月は飲み続けて、様子を見ることが肝心です。
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