ノコギリヤシがいいと言われる理由となる「脂肪酸」とは？
中高年の排尿時のスッキリ感で人気の「ノコギリヤシ」は、アメリカに自生するヤシ科の植物です。
その果実の成分を抽出したエキスが、サプリメントに封入されています。
ノコギリヤシ果実の85～90％は、脂肪酸から成っています。
そのため、ノコギリヤシを服用するとスッキリするという方が多い理由は、脂肪酸にあるのではないかと考えられているのです。
健康成分として耳にすることがある「脂肪酸」ですが、どんな物質なのでしょうか。
炭水化物、タンパク質、脂質は、人間の生命活動に欠かせない「三大栄養素」と呼ばれます。
脂質には、細胞膜やホルモンの材料になったり、脂溶性ビタミンの吸収を促す役割があります。
この脂質を構成する重要な成分が脂肪酸であり、食品中の脂肪の9割は脂肪酸です。
飲み物である牛乳の中の脂肪、冷えると固まる肉や魚の脂、トロリとした植物油など、形状は様々ですがほとんどが「脂肪酸」から成っています。
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ノコギリヤシに含まれる脂肪酸について
ノコギリヤシ果実に含まれる脂肪酸の主なものは、オレイン酸、ラウリン酸、リノレン酸、ミリスチン酸です。
これらの成分は、健康にいい植物油の紹介などで、耳にしたことがある方も多いと思います。
そして、日本で発表された排尿に関する研究報告で、このオレイン酸とミリスチン酸の二つの脂肪酸と排尿トラブルの関連について調べたものがあります。
尿が出づらく、1回の排尿量が減少して排尿回数が増加しているラットに対し、ノコギリヤシエキスにプラスして、オレイン酸とミリスチン酸の混合物を与えるという試験が行われました。
すると、オレイン酸とミリスチン酸の混合物をプラスした方が、排尿量や排尿回数、尿の勢いの変化が、より強く認められたそうです。
この結果から、ノコギリヤシのスッキリ感へのサポートの背景には、オレイン酸やミリスチン酸といった脂肪酸の力があると考えることが出来ます。
脂肪酸でも、人工のトランス脂肪酸には注意
ノコギリヤシのような天然の脂肪酸には健康へのサポートを期待できる一方で、人工的に作られた「トランス脂肪酸」には、排尿の悩みを悪化させるリスクがあることが分かっており、注意が必要です。
トランス脂肪酸とは、マーガリンやショートニング、ファストフードやスナック菓子などに含まれる物質であり、油脂の製造過程で発生します。
トランス脂肪酸は炎症を悪化させる性質であり、摂りすぎることで尿路や前立腺、膀胱といった排尿に関係する器官の炎症が進むと、トイレ回数が多くなるなどのトラブルを招く可能性が指摘されています。
世界的にトランス脂肪酸の使用禁止を目指す動きがあるなか、日本でも、各企業の自主性によって、人工的なトランス脂肪酸の使用量を減らす社会的な傾向が見られます。
「もしかして・・・」と心当たりがあるときには、先のような人工的トランス脂肪酸を含む食品を控えるようにしてみましょう。
脂肪酸にも色々な性質があることを知り、ぜひ健康に役立ててください。
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