ノコギリヤシ、昔の日本人には必要なかった？
アメリカの先住民・インディアンが滋養強壮のために利用していたと言われるノコギリヤシ果実のエキスは、その後ヨーロッパで研究を重ねられ、サプリといった流通可能な形態に商品化されて、世界中へと広まりました。
夜中に何度もトイレに起きてしまうことに悩んでいた日本人男性からも、「ノコギリヤシサプリを服用してぐっすりと眠れるようになった」という喜びの声が多く聞かれるようになったのです。
ただし現在でも、ノコギリヤシという言葉を知らない方は多く、日本での浸透率はそれほど高いとは言えません。
その背景には、ノコギリヤシの研究そのものがそう昔のものではないことの他、日本人の体質の変化もあるかもしれません。
近代化以前の日本では、ノコギリヤシの力を必要とする方の割合は少なかった、と考えられるのです。
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現代とは逆だった・・・前立腺の変化傾向
ノコギリヤシが役立つのは、前立腺が大きくなってしまうことで排尿のスッキリ感が損なわれている状態です。
ノコギリヤシエキスが5-αリダクターゼという酵素をブロックすることで、前立腺を変化させてしまう男性ホルモン・DHT増加への対策が期待できると考えられています。
DHTが増加するのは、50代前後に更年期を迎えた男性の体内で、男性ホルモンのテストステロンの減少が起こるためです。
テストステロンが減少すると、生殖機能のひとつである前立腺は萎縮するか肥大するかのいずれかになります。
昭和30年代頃までの日本人男性においては、前立腺の変化として萎縮する方がほとんどだったのですが、これが現代では逆に肥大化する方がほとんどになっています。
このような傾向の変化は、近代になって日本人の食生活が欧米化し、食事の量や質も豊かになったからではないかと考えられています。
前立腺が萎縮するのであれば、ノコギリヤシのパワーは必要とされません。
そのため、昭和30年代といった昔の日本では、ノコギリヤシを必要とする方はかなり少なかったのです。
もちろん、サプリメントそのものがまだ商品となって流通しておらず、そのような文化がなかったことも理由の一つでしょう。
近代化によりノコギリヤシ需要が増加
前立腺がこのように変化することの原因や傾向は未だきちんと解明されてはおらず、喫煙や肥満、アルコールや高血圧、遺伝などが疑われています。
また、メタボだと症状が出やすいという指摘もあります。
因果関係が証明されたわけではないものの、現代生活ではこれらの要因が増加傾向にあることは事実であり、生活スタイルの変化によって前立腺が大きくなる方の割合が増えていった、と考えることは可能でしょう。
日本では、何らかの形で前立腺が大きくなっていると見られる方の割合は、50代で30％、70代では80％、80代では90％と言われます。
ただし、すぐに治療が必要な方はこの数字のうち1/4程度と推定され、そのほかの方は経過観察となります。
つまり「病院で治療するほどではないものの排尿時に不快感がある」という方がかなり多いということです。
そのような場合にこそ、ノコギリヤシのサプリが役に立ちます。
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